「クロロゲン酸入りのコーヒーなら、普通のコーヒーよりダイエットに向いているの?」
ダイエットコーヒーを探していると、「クロロゲン酸配合」「コーヒーポリフェノール入り」といった表示を見かけます。体によさそうな印象はあっても、どのような成分なのか、普通のコーヒーには入っていないのか、わかりにくいですよね。
クロロゲン酸類は、コーヒー豆にもともと含まれているポリフェノールの一種です。そのため、特別なダイエットコーヒーだけに含まれる成分ではありません。
ただし、含まれる量は豆の種類、焙煎の度合い、抽出方法、商品の製造方法などによって変わります。また、クロロゲン酸を摂っただけで、食事や運動に関係なく体重が減るとはいえません。
この記事では、クロロゲン酸の特徴から、コーヒーに含まれる量が変わる理由、商品表示の確認方法、飲むときの注意点まで、わかりやすく説明します。
■ 先に結論|クロロゲン酸はコーヒーにもともと含まれる成分
クロロゲン酸類は、植物に含まれるポリフェノールの一種です。コーヒー豆にも含まれているため、普段飲んでいる一般的なコーヒーからも摂取できます。
そのため、「クロロゲン酸入り」と書かれているだけで、必ず特別な商品だと判断することはできません。
商品を比較するときは、次の点を確認しましょう。
・1杯当たりに含まれる量
・1日の摂取目安量
・クロロゲン酸類の合計量なのか、特定の成分量なのか
・機能性表示食品などの表示があるか
・どのような機能が表示されているか
・カフェインや糖類など、ほかの成分はどのくらいか
大切なのは、成分名だけで「飲めば痩せる」と考えないことです。クロロゲン酸を含むコーヒーも、食生活を整えるための飲み物のひとつとして考えましょう。
■ クロロゲン酸とはどんな成分?
クロロゲン酸という名前から、特別に作られた薬のようなものを想像するかもしれません。
実際には、コーヒー豆をはじめ、さまざまな植物に含まれている成分です。植物に含まれるポリフェノールの仲間として知られています。
■ クロロゲン酸はひとつの成分だけではない
一般に「クロロゲン酸」と呼ばれていますが、コーヒーには構造の異なる複数の関連成分が含まれています。そのため、商品や資料では「クロロゲン酸類」と表されることがあります。
代表的なものには、カフェオイルキナ酸、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸などがあります。
名前をすべて覚える必要はありません。購入するときは、次の違いがあることを知っておけば十分です。
・クロロゲン酸類の合計量を表示している場合
・特定の種類だけを表示している場合
・コーヒーポリフェノールとして表示している場合
似た数字が書かれていても、測定している成分の範囲が違えば単純には比較できません。
■ カフェインとは別の成分
クロロゲン酸とカフェインは、どちらもコーヒーに含まれていますが、同じ成分ではありません。
カフェインは、眠気を感じにくくさせる働きなどで知られる成分です。一方、クロロゲン酸類はポリフェノールに分類されます。
したがって、クロロゲン酸を多く含む商品が、必ずカフェインも多いとは限りません。反対に、カフェインが多いからといって、クロロゲン酸類も多いとは限らないため、分けて確認しましょう。
■ 普通のコーヒーにもクロロゲン酸は入っている?
クロロゲン酸類は、一般的なコーヒーにも含まれています。
「クロロゲン酸配合」と書かれた商品だけに入っているわけではなく、コーヒー豆がもともと持っている成分です。
商品によっては、原料や製法を工夫したり、コーヒー豆由来の成分を加えたりして、含有量を調整している場合があります。
■ 1杯に含まれる量は一定ではない
コーヒー1杯に含まれるクロロゲン酸類の量は、すべて同じではありません。
次のような条件によって含有量が変わります。
・コーヒー豆の品種
・豆の産地や栽培条件
・焙煎の度合い
・使用する粉の量
・お湯の量
・抽出時間や温度
・インスタント、ドリップ、缶などの製品形態
・製造時の加工方法
正確な量を知りたい場合は、一般的な目安より、商品の成分表示や公式情報を確認しましょう。
■ 味や色だけでは量を判断できない
「酸味の強いコーヒーだからクロロゲン酸が多い」「色が濃いから成分も多い」とは限りません。
コーヒーの味や香りは、クロロゲン酸類だけで決まるものではないからです。豆の品種、焙煎、抽出方法、水の量など、さまざまな要素が関係しています。
ブラックコーヒーの色が濃く見えても、お湯の量や焙煎による色の違いかもしれません。見た目や苦味だけで含有量を比べるのは避けましょう。
■ 焙煎するとクロロゲン酸はどうなる?
コーヒー豆は、収穫して乾燥させた生豆に熱を加えて焙煎されます。私たちがよく見る茶色や黒色のコーヒー豆は、焙煎後のものです。
クロロゲン酸類は熱の影響を受けるため、焙煎の過程で量や構成が変化します。
■ 深煎りほど多いとは限らない
焙煎時間や加熱の強さによって、クロロゲン酸類の一部は分解したり、別の形へ変化したりします。一般に、生豆や浅煎りの豆にはクロロゲン酸類が比較的多く残る傾向があります。
ただし、「浅煎りなら必ず多い」と一律に決めることはできません。もとの豆に含まれる量や焙煎条件、製品の配合によって結果が異なるからです。
クロロゲン酸類を加えた加工コーヒーなら、深煎り風の味でも含有量が調整されている可能性があります。
■ 浅煎りを無理に選ぶ必要はない
クロロゲン酸類だけを理由に、好みに合わないコーヒーを選ぶ必要はありません。
浅煎りは酸味を感じやすく、深煎りは苦味や香ばしさを感じやすい傾向があります。毎日続けるなら、含有量だけでなく、味、香り、価格、作りやすさも大切です。
特定の量を摂りたい場合は、焙煎度から推測するより、1杯当たりの含有量が明記された商品を選ぶ方が判断しやすいでしょう。
■ クロロゲン酸に期待されていること
クロロゲン酸類については、体内での働きや健康との関係について研究が行われています。
ただし、研究結果を見るときは、試験に使われた量、期間、対象者、食品の種類を確認する必要があります。研究で調べられた条件と、家庭で飲むコーヒーの条件が同じとは限りません。
■ ポリフェノールとして研究されている
ポリフェノールは、植物に含まれる成分の大きなグループです。クロロゲン酸類もそのひとつとして、抗酸化作用などに関する研究が行われています。
ただし、試験管内や動物を使った研究で変化が確認されても、人が日常的にコーヒーを飲んだ場合に同じ結果になるとは限りません。
「抗酸化」という言葉だけで、病気の予防や治療ができると判断しないようにしましょう。コーヒーは医薬品ではありません。
■ 体重や体脂肪との関係
クロロゲン酸類を含む食品について、体重や体脂肪、糖や脂質の代謝との関係を調べた研究があります。日本では、コーヒー豆由来の成分を機能性関与成分とする機能性表示食品なども販売されています。
しかし、表示されている機能は、決められた商品を、決められた量と期間で摂取した場合の情報をもとに届け出られたものです。
クロロゲン酸を含むすべてのコーヒーに、同じ表示や働きが当てはまるわけではありません。
■ 「飲めば脂肪が燃える」とは言い切れない
広告や口コミでは、「脂肪燃焼」「飲むだけで痩せる」といった強い言葉が使われることがあります。
しかし、一般的なコーヒーにクロロゲン酸類が含まれていることと、そのコーヒーを飲むだけで体重が減ることは別の話です。
体重の変化には、食事から摂るエネルギー、運動や生活で使うエネルギー、睡眠、年齢、体調など多くの要素が関係します。
ダイエット中は、食事、運動、睡眠などの生活習慣と組み合わせて考えましょう。
■ クロロゲン酸入りコーヒーの表示の見方
商品を比べるときは、表側の大きな文字だけでなく、裏側の原材料名や栄養成分表示、摂取上の注意まで確認しましょう。
■ 1杯当たりと1日当たりを分けて見る
「クロロゲン酸類○mg」と書かれていても、それが1杯当たりなのか、1袋当たりなのか、1日の摂取目安量当たりなのかで意味が変わります。
・粉末1袋に含まれる量
・できあがったコーヒー1杯に含まれる量
・複数杯を合計した1日分の量
・原料に含まれている量
・製造時に配合した量
比較するときは、実際に1日に飲む量へそろえて考えましょう。
■ 機能性表示食品かどうかを確認する
パッケージに機能性表示食品と書かれている場合は、次の項目を確認します。
・機能性関与成分の名称
・表示されている機能
・対象となる人
・1日摂取目安量
・摂取方法
・摂取上の注意
機能性表示食品は、国が一つひとつの商品の効果を審査して許可したものではありません。事業者の責任で、科学的根拠などの情報を消費者庁へ届け出る制度です。
病気の診断、治療、予防を目的とした食品ではない点にも注意してください。
■ 糖類やクリームも確認する
クロロゲン酸類の量だけでなく、コーヒー全体の内容を見ることも大切です。
砂糖、シロップ、粉末クリームなどが多く入っていると、飲み方によっては摂取エネルギーが増えます。「ダイエットコーヒー」という名前だけで、必ず低カロリーだとは判断できません。
■ デカフェにもクロロゲン酸は含まれる?
デカフェは、コーヒー豆からカフェインの大部分を取り除いたものです。カフェインとクロロゲン酸は別の成分なので、デカフェだからクロロゲン酸がまったく含まれないとは限りません。
ただし、カフェインを取り除く方法や製造工程によって、ほかの成分も変化する可能性があります。
デカフェ商品に含まれるクロロゲン酸類の量を知りたい場合は、商品の表示やメーカーの公式情報を確認してください。
■ クロロゲン酸入りコーヒーを飲むときの注意点
クロロゲン酸に注目した商品でも、飲み物としてはコーヒーです。カフェインや糖類など、ほかの成分を含めて考える必要があります。
■ カフェインの摂りすぎに注意する
クロロゲン酸を多く摂ろうとしてコーヒーの杯数を増やすと、カフェインの摂取量も増える場合があります。
カフェインを摂りすぎると、人によっては次のような不調が現れることがあります。
・眠れない
・落ち着かない
・動悸を感じる
・頭痛
・吐き気や胃の不快感
・下痢
コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレート、眠気防止薬などに含まれるカフェインも合計して考えましょう。
■ 胃の不快感があるときは無理をしない
コーヒーを飲むと、胃が痛い、むかむかする、おなかがゆるくなるという人もいます。体質や飲む量、空腹の状態によって感じ方は異なります。
空腹時を避ける、量を減らす、薄めに作るなどの方法を試し、それでも不調が続く場合は使用を中止しましょう。
■ 購入前に確認したい7項目
- 商品の種類
一般食品、機能性表示食品など、どのような位置づけの商品か確認します。 - クロロゲン酸類の量
1杯当たりなのか、1日当たりなのかまで確認します。 - 1日の摂取目安量
必要な杯数と、無理なく続けられる量かを見ます。 - カフェイン量
夜に飲む人やカフェインに敏感な人は、とくに確認しましょう。 - 糖類・脂質・エネルギー
甘い商品やクリーム入りの商品は、全体の栄養成分を見ます。 - 飲み方と注意事項
お湯の量、飲む回数、対象外となる人などを確認します。 - 続けるための費用
1箱の価格ではなく、1日分や1か月分の費用で比べます。
■ よくある質問
■ クロロゲン酸が多いほど痩せやすいですか?
含有量が多ければ、その分だけ体重が減るとはいえません。商品に表示された摂取目安量を守り、食事や運動と組み合わせて考えましょう。
■ 普通のブラックコーヒーでは意味がありませんか?
普通のコーヒーにもクロロゲン酸類は含まれています。ただし、含有量は商品や作り方によって異なります。
■ 浅煎りと深煎りのどちらを選べばよいですか?
クロロゲン酸類は焙煎によって変化するため、浅煎りに比較的多く残る傾向があります。ただし、豆や製造方法によって異なるため、焙煎度だけでは正確に比較できません。
■ インスタントコーヒーにも含まれますか?
インスタントコーヒーもコーヒー豆の抽出液から作られるため、クロロゲン酸類を含むことがあります。ただし、含有量は製品ごとに異なります。
■ たくさん飲んでもよいですか?
摂取量を増やせば必ずよい結果になるわけではありません。カフェインの摂りすぎや胃腸の不調につながる可能性もあるため、商品の目安量を守ってください。
■ まとめ|成分名だけでなく、量と飲み方まで確認しよう
クロロゲン酸類は、コーヒー豆にもともと含まれているポリフェノールの一種です。特別なダイエットコーヒーだけに含まれている成分ではありません。
商品を選ぶときは、1杯当たりの含有量、機能性表示の内容、カフェイン量、糖類、摂取上の注意などを確認しましょう。
クロロゲン酸を含むコーヒーも、飲むだけで体重を減らすものではありません。食事、運動、睡眠などを見直しながら、無理なく取り入れてください。
■ 参考情報
・食品安全委員会が公開するコーヒーと食品成分に関する情報
・消費者庁が公開する機能性表示食品に関する情報
・農林水産省が公開するカフェインと食品安全に関する情報
・各商品のパッケージ、説明書、公式サイト
※本記事は、コーヒーとクロロゲン酸に関する一般的な情報を紹介するものです。特定商品の効果や安全性、病気の予防・診断・治療を保証するものではありません。

