「乳酸菌や食物繊維が入ったコーヒーなら、おなかの調子もダイエットもまとめて対策できるの?」
ダイエットコーヒーを探していると、「乳酸菌配合」「食物繊維入り」「腸活をサポート」といった商品を見かけます。コーヒーを飲みながら複数の成分を摂れるため、手軽で便利そうに感じますよね。
ただし、乳酸菌や食物繊維にはさまざまな種類があります。同じ成分名が書かれていても、含まれる菌株や量、商品の目的まで同じとは限りません。
また、乳酸菌・食物繊維入りコーヒーは、飲むだけで痩せたり、食生活の乱れをすべて補ったりするものではありません。
この記事では、乳酸菌と食物繊維の基本的な違いから、成分表示の見方、購入前に確認したいこと、飲む際の注意点までわかりやすく説明します。
■ 先に結論|成分名だけでなく種類と量を確認しよう
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーは、普段のコーヒーに乳酸菌や食物繊維を加えた商品です。
いつもの飲み物から成分を補える手軽さがありますが、「乳酸菌入り」「食物繊維配合」という表示だけでは、商品の特徴を十分に判断できません。
購入するときは、次の項目を確認しましょう。
・どのような乳酸菌が使われているか
・乳酸菌は生菌なのか、加熱処理された菌なのか
・1杯当たりに乳酸菌がどのくらい含まれるか
・食物繊維の種類と量
・一般食品、特定保健用食品、機能性表示食品のどれか
・表示されている機能
・1日の摂取目安量
・カフェイン、糖類、脂質の量
乳酸菌と食物繊維は、どちらもおなかに関係する成分として紹介されることがあります。しかし、それぞれ別の成分であり、役割や確認したい表示も異なります。
■ 乳酸菌・食物繊維入りコーヒーとは?
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーに、決まった定義があるわけではありません。
コーヒーに乳酸菌だけを加えた商品、食物繊維だけを加えた商品、両方を組み合わせた商品などがあります。さらに、オリゴ糖、炭、MCTオイル、ビタミンなどを配合している場合もあります。
商品の形もさまざまです。
・お湯に溶かす粉末タイプ
・個包装されたスティックタイプ
・ドリップタイプ
・缶やペットボトルの飲料
・普段のコーヒーに加える粉末タイプ
同じような商品名でも、含まれる成分や飲み方は異なります。パッケージの表側だけでなく、裏側の原材料名や栄養成分表示まで確認しましょう。
■ 乳酸菌とはどんなもの?
乳酸菌は、糖を利用して乳酸を作る細菌の総称です。ひとつの菌だけを指す言葉ではありません。
ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物などに利用されているほか、粉末食品やサプリメントにも配合されています。
■ 乳酸菌にはさまざまな種類がある
乳酸菌と呼ばれる菌には、数多くの種類があります。同じ種類に分類される菌でも、菌株が違えば調べられている働きが異なることがあります。
商品によっては、パッケージに次のような情報が記載されています。
・菌の名称
・菌株の名称や記号
・1杯当たりの菌数
・1日の摂取目安量当たりの菌数
・生きた菌か、加熱処理した菌か
「乳酸菌○億個」と大きく書かれていても、何杯分の数字なのかによって意味が変わります。1袋当たりなのか、1日分なのかまで確認しましょう。
■ 乳酸菌とビフィズス菌は同じではない
乳酸菌と一緒に、ビフィズス菌という言葉を見かけることがあります。
ビフィズス菌も乳酸などを作る細菌ですが、一般的な分類では乳酸菌と分けて扱われます。どちらもおなかに関する商品へ使われていますが、同じ菌ではありません。
「乳酸菌・ビフィズス菌配合」と書かれている場合は、それぞれの菌名や配合量が記載されているか確認しましょう。
■ 生菌と加熱処理された菌の違い
乳酸菌入りの商品には、生きた状態の菌を使っているものと、加熱処理した菌を使っているものがあります。
「生きて腸まで届く」という表示を見かけますが、すべての乳酸菌入りコーヒーが生菌を配合しているわけではありません。
粉末コーヒーでは、お湯を注いで飲むことを前提に、加熱処理した乳酸菌を使っている場合もあります。
加熱処理された菌だから意味がない、生菌だから必ず優れていると単純に判断することはできません。商品に表示された菌の種類や、届け出られている機能を確認することが大切です。
■ 熱いお湯を注いでもよい?
コーヒーは熱いお湯で作ることが多いため、「乳酸菌が熱で死んでしまわないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
乳酸菌の熱への強さは、菌の種類や加工方法によって異なります。また、最初から加熱処理した菌を使っている商品もあります。
自己判断でお湯の温度を変えると、コーヒーが十分に溶けなかったり、想定された飲み方と違ったりする可能性があります。
基本的には、パッケージに記載されたお湯の量と温度に従って作りましょう。水や冷たい飲み物にも溶かせるかどうかも、商品説明で確認してください。
■ 食物繊維とはどんな成分?
食物繊維は、人の消化酵素で消化されにくい成分の総称です。小腸で消化・吸収されにくく、大腸まで届きます。
穀類、いも類、豆類、野菜、果物、きのこ、海藻などに含まれており、健康的な食生活を考えるうえで欠かせない成分です。
■ 水溶性と不溶性に分けられる
食物繊維は、大きく次の2つに分けられます。
・水に溶ける水溶性食物繊維
・水に溶けにくい不溶性食物繊維
コーヒーなどの飲料には、水に溶けやすい食物繊維が配合されることが多くあります。
代表的な成分には、難消化性デキストリン、イヌリン、ポリデキストロースなどがあります。ただし、すべての商品が同じ成分を使っているわけではありません。
■ 食物繊維の種類によって特徴が異なる
パッケージに「食物繊維入り」とだけ書かれている場合でも、原材料名を見ると具体的な成分がわかることがあります。
食物繊維の種類を確認するときは、次の項目を見ましょう。
・原材料名
・栄養成分表示の食物繊維量
・機能性関与成分の名称
・1日摂取目安量当たりの含有量
前の記事で紹介した難消化性デキストリンも、水溶性食物繊維のひとつです。
ほかの食物繊維が配合されている商品に、難消化性デキストリンと同じ機能があるとは限りません。成分名と表示されている内容をセットで確認しましょう。
■ 食事から摂る食物繊維の代わりにはならない
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーを飲んでいても、野菜や豆などを食べなくてよいわけではありません。
食品からは、食物繊維だけでなく、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなども摂取できます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を摂るためにも、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
コーヒーは、不足しがちな食物繊維を補う方法のひとつとして考えましょう。
■ 乳酸菌と食物繊維を一緒に摂る理由
乳酸菌と食物繊維は、腸内環境に関する商品で一緒に使われることがあります。
乳酸菌などの有用な菌を「プロバイオティクス」、腸内細菌に利用される食物繊維やオリゴ糖などを「プレバイオティクス」と呼ぶことがあります。
両方を組み合わせた考え方は「シンバイオティクス」と呼ばれます。
ただし、乳酸菌と食物繊維が一緒に入っているだけで、どの商品にも同じ機能があるとは限りません。
菌株、食物繊維の種類、含有量、試験条件などによって異なります。聞き慣れない言葉の印象だけで、商品の優劣を判断しないようにしましょう。
■ 期待できることは商品によって違う
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーに期待できることは、商品に表示された内容によって異なります。
一般食品として成分を補うことを目的にした商品もあれば、おなかの調子や便通などに関する機能を表示した商品もあります。
■ おなかの調子に関する商品
乳酸菌や食物繊維を含む商品のなかには、「おなかの調子を整える」「便通を改善する」といった内容が表示されているものがあります。
ただし、表示されている機能は、商品ごとに決められた成分、量、摂取期間などの情報をもとにしています。
乳酸菌や食物繊維が入ったすべてのコーヒーに、同じ内容が当てはまるわけではありません。
また、便秘の原因は食生活だけとは限りません。便秘や下痢が長く続く、強い腹痛がある、便に血が混じるといった場合は医療機関へ相談してください。
■ 食後の血糖値などに関する商品
配合されている食物繊維が難消化性デキストリンなどの場合、食後の血糖値や中性脂肪に関する機能を表示した商品もあります。
このような機能は、乳酸菌ではなく食物繊維に関する表示である場合があります。
パッケージの大きな文字だけを見ると、どの成分による機能なのかわかりにくいことがあります。機能性関与成分の名称と届出表示を確認しましょう。
■ ダイエットとの関係
乳酸菌や食物繊維が入っているからといって、飲むだけで体重が減るとはいえません。
便通や腸内環境に変化を感じた場合でも、体脂肪が減ったことと同じではありません。体重は、食事、運動、睡眠、水分量、排便などの影響を受けて変動します。
短期間の数字だけで「痩せた」と判断しないようにしましょう。
■ 成分表示はどこを見ればよい?
購入前には、パッケージの表側だけでなく、裏側や側面まで確認しましょう。
とくに見たいのは、原材料名、栄養成分表示、機能性に関する表示、摂取上の注意です。
■ 原材料名を確認する
原材料名には、商品に使われている原材料が、原則として重量の割合が高い順に記載されています。
乳酸菌や食物繊維を確認したい場合は、次のような名前を探しましょう。
・乳酸菌末
・乳酸菌乾燥粉末
・殺菌乳酸菌
・難消化性デキストリン
・イヌリン
・ポリデキストロース
・オリゴ糖
ただし、原材料名を見ただけでは、配合量までわからない場合があります。含有量は、パッケージの別の表示や公式サイトも確認してください。
■ 栄養成分表示を確認する
栄養成分表示では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などを確認できます。
商品によっては、炭水化物を「糖質」と「食物繊維」に分けて表示しています。
「食物繊維○g」と書かれている場合は、その数字が次のどれに当たるか確認しましょう。
・粉末1袋当たり
・できあがったコーヒー1杯当たり
・商品100g当たり
・1日の摂取目安量当たり
同じ数字でも、基準となる量が違えば単純に比較できません。
■ 乳酸菌の数え方を確認する
乳酸菌は「○個」「○億個」などの数字で表示されることがあります。
数字が大きいほど必ずよい商品とは限りません。確認したいのは、菌の数だけではなく次の項目です。
・何という菌株か
・1杯当たりの菌数か
・1日分の菌数か
・製造時の配合数か
・賞味期限まで保証された数か
・どのような試験が行われたか
菌の種類や試験条件を示さず、数字の大きさだけを強調している場合は、小さな注釈まで確認しましょう。
■ 保健機能食品か確認する
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーには、一般食品のほか、特定保健用食品や機能性表示食品があります。
特定保健用食品は、有効性や安全性などについて国の審査を受け、消費者庁長官の許可を得た食品です。
機能性表示食品は、事業者の責任で安全性や機能性に関する情報を消費者庁へ届け出た食品です。国が一つひとつの商品の効果を審査して許可したものではありません。
いずれも医薬品ではなく、病気の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
■ 糖類・脂質・エネルギーも確認する
乳酸菌や食物繊維が入っていても、低カロリーとは限りません。
飲みやすくするために、砂糖、粉末クリーム、植物油脂、甘味料などが使われている場合があります。
ダイエット中は、次の点を確認しましょう。
・1杯当たりのエネルギー
・糖質や糖類の量
・脂質の量
・1日に飲む杯数
・加える砂糖やミルクの量
1杯当たりの量が少なくても、1日に何杯も飲めば合計量は増えます。
■ いつ飲めばよい?
乳酸菌や食物繊維を摂るためのコーヒーに、全商品共通の飲む時間はありません。
基本的には、商品に記載された飲み方や1日の摂取目安量に従います。
おなかに関する一般食品であれば、毎日続けやすい時間を決める方法があります。食後の血糖値などに関する商品は、食事の際に飲むことを想定している場合があるため、表示を確認してください。
カフェイン入りの商品を夜に飲むと、眠りに影響する可能性があります。夜に飲みたい人は、カフェインレスの商品も選択肢に入れましょう。
■ 乳酸菌・食物繊維入りコーヒーでできないこと
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーは、生活習慣を整えるための補助的な食品です。次のようなことはできません。
■ 飲むだけで体脂肪を減らすこと
乳酸菌や食物繊維が入っていても、摂取したエネルギーがすべてなかったことにはなりません。
体脂肪を減らすには、食事から摂るエネルギーと、日常生活や運動で使うエネルギーのバランスを考える必要があります。
■ 野菜や食事の代わりにすること
コーヒーから食物繊維を摂れても、食事に含まれるすべての栄養素を補えるわけではありません。
野菜、豆、穀類、果物なども取り入れ、さまざまな食品から食物繊維を摂りましょう。
■ 便秘や病気を治療すること
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーは医薬品ではありません。
便秘、下痢、腹痛などが続いている場合や、糖尿病などの治療を受けている場合は、コーヒーだけで対処しないでください。
■ 飲む際の注意点
乳酸菌や食物繊維は食品に利用されている成分ですが、たくさん摂ればよいわけではありません。
体調を確認しながら、商品に示された量を守って飲みましょう。
■ おなかがゆるくなることがある
食物繊維やオリゴ糖を一度に多く摂ると、体質や体調によって次のような変化が現れることがあります。
・おなかが張る
・ガスが増える
・腹痛を感じる
・便がゆるくなる
・下痢をする
ほかの健康食品や飲料にも食物繊維が含まれている場合は、1日全体の摂取量を確認してください。
■ コーヒーのカフェインにも注意する
乳酸菌や食物繊維を多く摂ろうとしてコーヒーの杯数を増やすと、カフェインも多く摂る可能性があります。
カフェインに敏感な人は、眠れない、動悸がする、胃が痛い、落ち着かないなどの不調を感じることがあります。
コーヒー以外に、緑茶、紅茶、エナジードリンク、チョコレートなどから摂るカフェインも含めて考えましょう。
■ アレルギー表示を確認する
乳酸菌入りだからといって、必ず乳成分が使われているわけではありません。一方で、コーヒークリームや乳由来の原料が使われている商品もあります。
乳成分、大豆などのアレルギーがある人は、原材料名とアレルギー表示を必ず確認してください。
■ 治療中の人は医師などへ相談する
消化器の病気や慢性疾患で治療中の人、医薬品を使用している人は、自己判断で健康食品を追加しないようにしましょう。
妊娠中、授乳中、子ども、高齢者についても、商品の対象者やカフェイン量を確認してください。
■ 購入前に確認したい8項目
店頭や通販で迷ったときは、次の順番で確認しましょう。
- 乳酸菌の種類
菌や菌株の名称が書かれているか確認します。 - 乳酸菌の量
1杯当たりか、1日分かまで確認しましょう。 - 乳酸菌の状態
生菌なのか、加熱処理された菌なのかを見ます。 - 食物繊維の種類
難消化性デキストリン、イヌリンなどの成分名を確認します。 - 食物繊維の量
1杯で何g摂れるかを確認しましょう。 - 商品の目的
一般的な成分補給なのか、機能性が表示された商品なのかを見ます。 - ほかの栄養成分
エネルギー、糖類、脂質、カフェインなどを確認します。 - 摂取上の注意
1日の目安量、対象者、アレルギー表示まで読みましょう。
■ よくある質問
■ 乳酸菌入りコーヒーは熱湯で作ってもよいですか?
商品によって異なります。加熱処理された乳酸菌を使用しているものもあるため、パッケージに記載された温度や作り方を優先してください。
■ 乳酸菌は多いほどよいですか?
菌数が多ければ、必ず優れた商品とは限りません。菌株、1日の摂取目安量、表示されている機能、試験条件なども確認しましょう。
■ ヨーグルトの代わりになりますか?
乳酸菌を摂るという点では共通する部分がありますが、栄養成分は異なります。ヨーグルトに含まれるたんぱく質やカルシウムまで、コーヒーから同じように摂れるとは限りません。
■ 毎日飲んでもよいですか?
毎日の摂取を想定した商品もありますが、1日の摂取目安量を守りましょう。おなかの不調やカフェインによる影響を感じた場合は、量を減らすか使用を中止してください。
■ 便秘なら多めに飲んでもよいですか?
目安量を超えて飲むのは避けましょう。食物繊維などを多く摂ると、かえって腹痛や下痢につながる可能性があります。
■ 乳酸菌・食物繊維入りなら痩せますか?
飲むだけで痩せるとはいえません。食生活や運動などを見直しながら、不足しがちな成分を補う食品として取り入れましょう。
■ まとめ|菌の種類と食物繊維量を分けて確認しよう
乳酸菌・食物繊維入りコーヒーは、普段の飲み物から乳酸菌や食物繊維を補える商品です。
ただし、乳酸菌の種類、菌数、生菌か加熱処理された菌か、食物繊維の種類と量は商品によって異なります。乳酸菌と食物繊維が入っているだけで、すべての商品に同じ機能があるわけではありません。
購入前には、次の点を確認しましょう。
・乳酸菌や菌株の名称
・1杯当たりと1日当たりの菌数
・生菌か加熱処理された菌か
・食物繊維の種類と量
・表示されている機能
・エネルギー、糖類、脂質
・カフェイン量
・1日の摂取目安量と注意事項
そして、コーヒーだけで食事を済ませず、野菜、豆、穀類などからも食物繊維を摂ることが大切です。毎日の食事を基本にしながら、無理なく続けられる商品を選んでください。
■ 参考情報
・厚生労働省が公開する食物繊維と健康に関する情報
・消費者庁が公開する食品表示と保健機能食品に関する情報
・食品安全委員会が公開する乳酸菌を含む食品の安全性に関する情報
・各商品のパッケージ、説明書、公式サイト
※本記事は、乳酸菌・食物繊維入りコーヒーに関する一般的な情報を紹介するものです。個別商品の効果や安全性、病気の予防・診断・治療を保証するものではありません。治療中の人や体調に不安がある人は、医師や薬剤師などへご相談ください。

