「妊娠前から飲んでいたダイエットコーヒーは、そのまま続けてもいいの?」
「授乳中なら、普通のコーヒーと同じように飲める?」
妊娠中や授乳中でも、コーヒーを楽しみたい人はいるでしょう。ただし、ダイエットコーヒーにはカフェインだけでなく、一般的なコーヒーには含まれない成分が配合されていることがあります。
特に機能性表示食品は、妊産婦や授乳中の人を対象として開発された食品ではありません。妊娠中は自己判断で体重を減らそうとするのではなく、母体と赤ちゃんに必要な栄養を確保することも重要です。
この記事では、妊娠中・授乳中にダイエットコーヒーを利用するときに確認したいカフェイン量や配合成分、商品の表示について解説します。
■ 先に結論|普通のコーヒーとダイエットコーヒーは分けて考えよう
妊娠中・授乳中だからといって、コーヒーを完全に禁止しなければならないわけではありません。
食品安全委員会でも、妊娠中のカフェイン摂取量をゼロにする必要はないものの、通常より摂りすぎに注意するよう案内しています。
一方、ダイエットコーヒーは普通のコーヒーと同じとは限りません。
商品によって、
・カフェイン
・食物繊維
・植物由来成分
・オイル類
・甘味料
・そのほかの機能性関与成分
など、さまざまなものが配合されています。
そのため、「コーヒーなら飲める量だから、ダイエットコーヒーも大丈夫」とは判断できません。
まず商品の原材料や注意事項を確認し、妊産婦や授乳中の人を対象外としている場合は利用を避けましょう。
■ 妊娠中はダイエット目的で自己判断して飲まない
妊娠すると体重が増えるため、「できるだけ太らないようにしたい」と考える人もいるでしょう。
しかし、妊娠中の体重増加はすべて避けるべきものではありません。
厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、妊娠中の体重増加について、母体と赤ちゃんにとって望ましい量にすることが示されています。妊娠前の体格に応じた目安がありますが、個人差を考慮しながら指導することが重要とされています。
そのため、
「体重が増えてきたからダイエットコーヒーを飲もう」
「食事を減らしてコーヒーで調整しよう」
と自己判断するのは避けましょう。
妊娠中の体重について気になる場合は、健診の際に医師や助産師などへ相談してください。
■ 機能性表示食品は妊産婦・授乳婦が対象ではない
ダイエットコーヒーを選ぶ際に特に確認したいのが、「機能性表示食品」と書かれているかどうかです。
食品表示基準では、機能性表示食品の対象者から、未成年者、妊産婦、妊娠を計画している人、授乳婦が除かれています。
現在の表示では、
「本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。」
といった注意書きが表示されます。
■ 「危険」という意味ではなく対象外という意味
この表示を見て、
「妊娠中に1回飲んだら危険なの?」
と不安になる人もいるかもしれません。
対象外という表示は、その商品について表示されている機能性が、妊産婦や授乳婦を対象としているわけではないという意味です。
しかし、妊娠中・授乳中に積極的に利用する根拠にもなりません。
以前から飲んでいた商品でも、妊娠がわかった時点でパッケージの注意事項を確認し、継続について医師などへ相談すると安心です。
■ 妊娠中はカフェインの摂りすぎに注意する
普通のコーヒーでも、妊娠中に確認しておきたいのがカフェインです。
食品安全委員会が示す代表値では、コーヒーには100mlあたり60mg、200mlのカップ1杯では約120mgのカフェインが含まれます。
| 飲み物 | カフェインの代表値 | 200ml飲んだ場合 |
|---|---|---|
| コーヒー | 60mg/100ml | 約120mg |
| デカフェコーヒー | 6mg/100ml | 約12mg |
| 紅茶 | 30mg/100ml | 約60mg |
| ウーロン茶・せん茶 | 20mg/100ml | 約40mg |
| 麦茶 | 0mg/100ml | 0mg |
実際の量は商品や抽出方法によって異なります。
■ 海外機関の目安には違いがある
日本では、カフェインについて一律の1日摂取許容量は設定されていません。
食品安全委員会では海外機関の例として、妊婦について、
・WHO:300mg/日
・欧州食品安全機関:200mg/日
・カナダ保健省:300mg/日
という最大摂取量の目安を紹介しています。
数値が異なることからも、「○mgまでは必ず安全」と考えるのではなく、摂りすぎを避けるという考え方が大切です。
妊娠中はカフェインの過剰摂取によって胎児の発育に影響が及ぶ可能性が指摘されています。
■ 授乳中もカフェイン量を確認する
授乳中についても、カフェインを好きなだけ摂ってよいわけではありません。
消費者庁では、妊婦とともに授乳中の人を、カフェイン摂取に特に注意が必要な人として挙げています。
食品安全委員会が紹介する海外機関の目安では、欧州食品安全機関が授乳中の女性について200mg/日を示しています。
一方、カナダ保健省では妊婦や授乳中の人などについて300mg/日の目安が紹介されています。
このように基準は機関によって異なります。
授乳中も、
「コーヒーだけで何mg摂ったか」
ではなく、
・コーヒー
・紅茶
・緑茶
・エナジードリンク
・カフェインを含む食品や医薬品
などを合わせて確認しましょう。
■ ダイエットコーヒーのカフェイン量も必ず確認する
ダイエットコーヒーは、商品によってカフェイン量が異なります。
通常のインスタントコーヒーと同程度の商品もあれば、カフェインレスを特徴としている商品もあります。
例えば、朝に普通のコーヒーを飲み、昼にダイエットコーヒー、午後に紅茶を飲めば、それぞれからカフェインを摂取することになります。
「ダイエットコーヒーは健康食品だからカフェイン量に含めなくてもよい」というわけではありません。
商品にカフェイン量が表示されている場合は、その数値を確認してください。
表示が見当たらず、妊娠中・授乳中に飲んでよいかわからない場合は、メーカーへ問い合わせたり、医師や薬剤師などへ相談したりする方法があります。
■ カフェインレス・デカフェでも原材料を確認する
妊娠中や授乳中にコーヒーを楽しみたい場合、デカフェやカフェインレスへ置き換える方法があります。
食品安全委員会が紹介する代表値では、デカフェコーヒーは100mlあたり6mgで、通常のコーヒーよりカフェイン量が少なくなっています。
ただし、ダイエットコーヒーの場合は、
「カフェインレス=妊娠中でも利用できる」
とは限りません。
カフェイン以外の成分が追加されている場合があるからです。
例えば商品を見るときは、
・原材料名
・機能性関与成分
・1日当たりの摂取目安量
・摂取上の注意事項
・妊産婦、授乳婦に関する記載
まで確認しましょう。
■ 「天然成分だから大丈夫」とは限らない
ダイエットコーヒーには、植物由来の成分を配合している商品があります。
「天然」「植物由来」と書かれていると、安全性が高いイメージを持つこともあるでしょう。
しかし、天然由来だから妊娠中や授乳中でも安全とは限りません。
消費者庁は、健康食品を選ぶ際には広告や体験談だけを信用せず、製品に含まれる成分の安全性や有効性について確認するよう案内しています。
また、健康食品は薬の代わりになるものではなく、思わぬ健康被害につながる可能性もあるため、摂取目安量や注意事項を確認することが大切です。
妊娠中・授乳中について安全性の情報が十分に確認できない成分は、自己判断で積極的に摂らないほうがよいでしょう。
■ 複数の健康食品やサプリとの併用にも注意する
妊娠中は、医師の指示などで葉酸や鉄などのサプリメントを利用することがあります。
そこへダイエットコーヒーや別の健康食品を追加すると、複数の商品を同時に摂ることになります。
消費者庁では、健康食品を複数利用すると思わぬ健康被害を受けることがあるとして、安易な併用を避けるよう注意を促しています。
特に、
・同じ成分が重複していないか
・医薬品との相互作用がないか
・摂取量が多くなっていないか
を確認しましょう。
産婦人科などで薬やサプリメントについて確認される場合は、ダイエットコーヒーも含めて利用している商品を伝えてください。
■ 妊娠中はコーヒーで食事を置き換えない
「体重を増やしたくないから朝食はコーヒーだけ」
「昼食を減らしてダイエットコーヒーを飲もう」
といった方法は避けましょう。
厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、
・主食を中心にエネルギーをしっかり摂る
・副菜でビタミンやミネラルを摂る
・主菜を組み合わせてたんぱく質を摂る
・カルシウムを十分に摂る
など、バランスのよい食事が示されています。
ダイエットコーヒーだけでは、妊娠中に必要な栄養を補うことはできません。
体重増加が気になる場合も、食事を自己判断で極端に減らさず、健診時に相談しましょう。
■ 授乳中もバランスのよい食事を基本にする
出産後、「早く妊娠前の体重へ戻したい」とダイエットを始めたくなる人もいるでしょう。
しかし、授乳中も食事を極端に減らすのではなく、食生活を整えることが基本です。
厚生労働省の妊産婦向け指針でも、「母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで」と示されています。
授乳中に体重管理を考える場合は、
・食事を極端に抜かない
・間食や甘い飲み物を見直す
・無理のない範囲で身体を動かす
・休養を取る
など、生活全体を整えましょう。
ダイエットコーヒーだけに頼って体重を減らそうとするのは避けてください。
■ 妊娠がわかる前に飲んでいた場合はどうする?
「妊娠に気付かずダイエットコーヒーを飲んでいた」と心配になることもあるでしょう。
その場合、自己判断で「赤ちゃんに影響が出る」と決めつける必要はありません。
まず、
・商品名
・原材料
・1日に飲んでいた量
・飲んでいた期間
・カフェイン量
などを確認しましょう。
そのうえで、不安がある場合は妊婦健診などで医師や薬剤師に相談してください。
商品パッケージや公式サイトを見せると、含まれている成分を確認してもらいやすくなります。
■ 妊娠中・授乳中に商品を確認する5つのポイント
ダイエットコーヒーを利用できるかわからない場合は、少なくとも次の5点を確認しましょう。
1.機能性表示食品ではないか
2.妊産婦・授乳婦を対象外とする表示がないか
3.1杯あたりのカフェイン量はどのくらいか
4.コーヒー以外にどのような成分が配合されているか
5.医師や薬剤師に相談する必要がある商品ではないか
特に機能性表示食品の場合、妊産婦や授乳婦は制度上の対象から除かれています。
「ダイエット向けだから身体によさそう」というイメージだけで選ばず、パッケージの細かな注意事項まで確認してください。
■ よくある質問
■ 妊娠中はコーヒーを一切飲んではいけませんか?
一切禁止されているわけではありません。
食品安全委員会も、妊娠中のカフェイン摂取量をゼロにする必要はないものの、摂りすぎには注意するよう案内しています。
ただし、カフェインへの感受性には個人差があります。コーヒー以外から摂る分も含めて考えましょう。
■ カフェインレスのダイエットコーヒーなら妊娠中も飲めますか?
カフェインが少なくても、ほかの成分が妊産婦向けとは限りません。
特に機能性表示食品は妊産婦や授乳婦を対象としていないため、カフェインレスという点だけで判断しないでください。
原材料や注意事項まで確認しましょう。
■ 授乳中ならダイエットコーヒーを飲んでも大丈夫ですか?
商品によって異なるため、一律にはいえません。
授乳中の人はカフェイン摂取に注意が必要であり、機能性表示食品についても対象外です。
利用したい商品がある場合は、表示を確認し、不明な点があれば医師や薬剤師などへ相談してください。
■ 妊娠中に体重が増えたらダイエットしたほうがよいですか?
妊娠中には母体と赤ちゃんのために必要な体重増加があります。
望ましい増加量は妊娠前の体格などによって異なるため、自己判断で減量するのではなく、妊婦健診で相談しましょう。
■ まとめ|カフェインだけでなく商品の配合成分まで確認しよう
妊娠中・授乳中でも普通のコーヒーを必ず完全にやめる必要はありませんが、カフェインの摂りすぎには注意が必要です。
一方、ダイエットコーヒーには通常のコーヒーとは異なる成分が含まれていることがあり、機能性表示食品は妊産婦や授乳婦を対象としていません。
カフェインレスというだけで判断せず、原材料、注意事項、商品の対象者まで確認しましょう。
特に妊娠中は自己判断で減量を目指さず、バランスのよい食生活を基本としてください。利用中の商品について不安がある場合は、パッケージなどを持参して医師や薬剤師に相談しましょう。
■ 参考情報
・食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」
・消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
・消費者庁「機能性表示食品・保健機能食品に関する情報」
・厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
・消費者庁「健康食品(一般の方向け)」
※カフェイン量や配合成分は商品によって異なります。妊娠中・授乳中の健康状態にも個人差があるため、この記事だけで個別商品の摂取可否を判断せず、商品の表示を確認してください。治療中の病気がある人、薬やサプリメントを使用している人、摂取について不安がある人は、医師や薬剤師などへ相談してください。

