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    家の中にいるダニの種類とは?チリダニ・コナダニ・ツメダニの違い

    「ダニ」と聞くと、どれも同じ虫だと思っていませんか?

    実は、家の中にはいくつかの種類のダニがいます。種類によって、食べるもの、増えやすい場所、人を刺す可能性があるかどうかが違います。

    たとえば、家の中で多く見られるチリダニ類は、人を刺すダニではありません。一方、ほかのダニを食べるツメダニは、人を刺すことがあります。

    この違いを知らずに対策すると、「布団にシートを置いたのに、台所の粉ものからダニが見つかった」「ダニ対策をしているのに、肌の違和感の原因がわからない」と迷ってしまうことがあります。

    この記事では、家の中で知っておきたいダニの種類を、小学生でもイメージしやすいように説明します。

    ■ 先に結論|家の中のダニは大きく3つを知っておこう

    家庭でまず知っておきたいのは、次の3つです。

    種類/主にいる場所/主な食べ物/人を刺す?
    チリダニ類(ヒョウヒダニ類)/布団、カーペット、ソファ、ホコリの中/フケ、あか、食べかすなど/基本的に刺さない
    コナダニ類/湿気の多い場所、食品、畳など/カビ、食品など/基本的に刺さない
    ツメダニ類/畳、カーペット、寝具など/ほかの小さなダニ/人を刺すことがある

    この表だけ見ると簡単ですが、実際には「同じ家の中に複数の種類がいる」ことがあります。

    また、肌に赤みやかゆみがあるからといって、必ずダニが原因とは限りません。ノミ、蚊、トコジラミ、湿疹など、別の原因もあります。症状だけで決めつけないことが大切です。

    ■ ダニは昆虫ではない

    少し意外ですが、ダニは昆虫ではありません。

    昆虫は、成虫になると脚が6本です。一方、ダニの多くは成体になると脚が8本あります。クモに近い仲間です。

    ただし、家の中のダニはとても小さいため、脚の数を肉眼で確認するのは難しいでしょう。

    「黒い小さな点が動いているからダニだ」と思っても、チャタテムシなど別の小さな虫である可能性があります。正体がわからないときは、むやみに薬剤を使うのではなく、写真を撮ったり、害虫の相談窓口や専門業者へ相談したりする方法があります。

    ■ 1.チリダニ類|家の中で多く見られるダニ

    チリダニ類は、ヒョウヒダニ類とも呼ばれます。

    代表的なのは、コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニです。日本の家のホコリから見つかるダニの多くを占めるとされています。

    【チリダニ類はどこにいる?】

    チリダニ類は、次のような場所で見つかることがあります。

    ・布団
    ・マットレス
    ・枕
    ・カーペット
    ・布製ソファ
    ・座布団
    ・ぬいぐるみ
    ・畳
    ・部屋のホコリ

    共通しているのは、ホコリや細かな汚れがたまりやすく、人が長い時間過ごす場所です。

    人のフケやあか、食べかすなどをエサにします。寝具には汗や皮脂も残りやすいため、こまめな管理が必要です。

    【チリダニ類は人を刺す?】

    チリダニ類は、人を刺したり、血を吸ったりするダニではありません。

    ただし、ダニの体、死がい、フンなどが細かくなり、ホコリと一緒に舞うことがあります。これらは、ダニに対するアレルギーがある人にとって、症状に関係するアレルゲンになることがあります。

    ここで「ダニを捕まえれば、すべて解決する」と考えないようにしましょう。

    生きているダニへの対策だけでなく、ホコリや死がい、フンを掃除で取り除くことも大切です。

    【チリダニ類が増えやすい環境】

    チリダニ類は、暖かく湿気が多い環境を好みます。

    川崎市は、ダニが増えやすい条件として、温度25~30℃、湿度60~85%、さらにエサが豊富にあることを紹介しています。

    ただし、温度や湿度を一瞬下げただけで、すぐにいなくなるわけではありません。日ごろから、湿気をためない、ホコリを減らす、寝具を清潔にすることが重要です。

    【チリダニ類への基本的な対策】

    次の方法を組み合わせましょう。

    ・部屋を定期的に換気する
    ・除湿機やエアコンを状況に応じて使う
    ・床やカーペットを掃除する
    ・シーツやカバーを洗う
    ・洗った寝具を十分に乾かす
    ・布団やマットレスの周辺に湿気をためない
    ・商品表示を確認したうえでダニ対策用品を使う

    ダニ取りシートを使う場合も、チリダニ類が対象になっているか確認してください。

    ■ 2.コナダニ類|湿気や食品まわりで増えることがあるダニ

    コナダニ類は、湿気の多い場所や食品まわりで見つかることがあります。

    名前のとおり、粉のように見えるほど小さなダニです。

    【コナダニ類はどこにいる?】

    次のような場所に注意が必要です。

    ・開封した小麦粉
    ・お好み焼き粉
    ・ホットケーキミックス
    ・乾物
    ・調味料
    ・みそ
    ・チーズなどの食品
    ・湿った畳
    ・カビが生えた場所
    ・収納庫

    すべての食品に必ず発生するわけではありませんが、開封後に高温多湿の場所へ長期間置くと、虫やダニが入り込む可能性があります。

    【コナダニ類は人を刺す?】

    コナダニ類は、基本的に人を刺すダニではありません。

    ただし、コナダニが増えると、それを食べるツメダニが増えることがあります。つまり、コナダニ自体が人を刺さなくても、別のダニが増えるきっかけになる場合があります。

    【食品にダニがいるかもしれないとき】

    「粉が動いて見える」「開封してから長くたった食品に小さな虫がいる」と感じた場合は、その食品を食べないようにしましょう。

    目で見て取り除くだけでは十分ではありません。

    開封済みの粉製品は、商品の保存方法に従って保管してください。東京都は、お好み焼き粉やホットケーキミックスなどを開封後に保存するとき、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管するよう案内しています。

    ただし、商品によって保存条件が違うため、パッケージの表示を優先してください。

    【コナダニ類への基本的な対策】

    ・食品を開封した日を把握する
    ・開封後の保存方法を守る
    ・密閉できる容器を使う
    ・食品庫の食べこぼしや粉を掃除する
    ・湿気をためない
    ・古くなった食品を長期間放置しない
    ・畳や収納場所のカビにも注意する

    布団用のダニ取りシートを食品庫へ置けばよいとは限りません。食品まわりへ使える商品か、必ず確認してください。

    ■ 3.ツメダニ類|ほかのダニを食べるダニ

    ツメダニ類は、チリダニやコナダニなど、ほかの小さなダニを食べます。

    少しこわく聞こえますが、ツメダニが増える背景には、エサになるほかのダニが増えている場合があります。

    【ツメダニ類はどこにいる?】

    次のような場所で見つかることがあります。

    ・畳
    ・カーペット
    ・布団
    ・ソファ
    ・湿気の多い部屋
    ・新しい畳や湿った畳
    ・ほかのダニが増えている場所

    「ツメダニだけを減らす」というより、エサになるチリダニ類やコナダニ類が増えにくい環境をつくることが大切です。

    【ツメダニ類は人を刺す?】

    ツメダニ類は、人を刺すことがあります。

    ただし、肌の赤みやかゆみだけで、ツメダニが原因と判断することはできません。

    ダニ以外の虫や皮膚のトラブルも考えられます。強いかゆみが続く、広がる、息苦しさなど別の症状がある場合は、医療機関へ相談しましょう。

    【ツメダニ類への基本的な対策】

    ・畳やカーペットの湿気を減らす
    ・ホコリや食べかすを掃除する
    ・寝具を清潔にする
    ・エサになるほかのダニが増えにくい環境をつくる
    ・必要に応じて、対象ダニが表示された対策用品を使う

    薬剤を使う場合は、対象となるダニ、使用場所、用法を確認してください。

    ■ 家の中にはほかのダニもいる

    チリダニ、コナダニ、ツメダニ以外にも、家や周辺環境によって別のダニが問題になることがあります。

    【イエダニ】

    イエダニは、主にネズミに寄生するダニです。ネズミの巣から室内へ移動し、人を刺すことがあります。

    家の中でネズミの音、フン、かじった跡などが見つかる場合は、ダニだけでなくネズミ対策が必要です。シートを置くだけでは根本的な解決にならないことがあります。

    【トリサシダニなど】

    鳥に寄生するダニが、巣から室内へ入ることがあります。

    ベランダや屋根の近くに鳥の巣があり、巣立ち後などに小さなダニが室内へ入るケースがあります。鳥の巣は法律や時期によって勝手に撤去できない場合があるため、自治体や専門業者へ相談してください。

    【マダニ】

    マダニは、主に草むらや山など屋外にいます。室内のホコリにいるチリダニとは別のダニです。

    マダニが皮膚に付いているときは、無理に引き抜かず、医療機関へ相談することが厚生労働省から案内されています。

    一般的な室内用ダニ取りシートは、屋外のマダニ対策には使えません。

    ■ ダニ取りシートはどの種類に使える?

    答えは、商品によって違うです。

    「ダニ用」と大きく書かれていても、すべてのダニを対象にしているわけではありません。

    購入するときは、次の表示を確認しましょう。

    ・対象となるダニの種類
    ・使用できる場所
    ・誘引、捕獲、忌避などの目的
    ・使用期間
    ・使用範囲
    ・注意事項
    ・試験条件

    とくに、次のような思い込みには注意してください。

    ・布団用だから、食品のコナダニにも使える
    ・室内用だから、マダニにも使える
    ・ダニを捕獲するから、死がいやフンもなくなる
    ・「ダニ対策」と書いてあるから、どこに置いてもよい

    目的と場所が違えば、必要な対策も変わります。

    ■ 家のどこが気になる?場所別チェック

    【布団やマットレス】

    チリダニ類を意識した掃除・洗濯・湿気対策が基本です。

    シーツやカバーを洗い、布団の周辺やベッド下のホコリを掃除します。ダニ取りシートは、寝具への使用が案内されている商品を選びましょう。

    【カーペットやソファ】

    ホコリ、食べかす、髪の毛などが入り込みやすい場所です。

    ゆっくり掃除機をかけ、取り外せるカバーは洗濯表示に従って洗います。シートを置く場合は、人が直接踏んだり、子どもやペットが触れたりしない位置を選びます。

    【食品庫】

    コナダニ類やほかの虫が入り込まないよう、保存方法を見直します。

    食品用ではないシートや薬剤を、食品のすぐ近くへ自己判断で置かないでください。

    【畳】

    畳は湿気がたまると、ダニやカビが増えやすくなることがあります。

    部屋の換気、除湿、掃除を行い、畳の上へ長期間敷物を重ねたままにしないなどの工夫をしましょう。

    ■ 「刺されたかも」と思ったときの注意点

    肌に赤い点やかゆみがあると、すぐに「ダニだ」と考えたくなりますよね。

    しかし、見た目だけでは原因を判断できません。

    ・蚊
    ・ノミ
    ・トコジラミ
    ・毛虫の毛
    ・かぶれ
    ・乾燥
    ・汗による湿疹
    ・食品や化粧品への反応

    など、さまざまな原因が考えられます。

    症状が強い、長く続く、家族にも広がる、呼吸が苦しいなどの場合は、自己判断だけで対策を続けず、医療機関へ相談してください。

    同時に、虫がいる可能性が高い場合は、害虫の相談窓口や専門業者へ確認してもらう方法もあります。

    ■ よくある質問

    【ダニは目で見えますか?】

    家の中で多いチリダニ類は非常に小さく、普通は肉眼では確認しにくいとされています。目で見える小さな虫が、必ずダニとは限りません。

    【家をきれいにしていればダニはいませんか?】

    きれいにしていても、完全にゼロにするのは難しいとされています。ただし、ホコリや湿気を減らすことで、増えにくい環境をつくることはできます。

    【チリダニは人を刺しますか?】

    チリダニ類は基本的に人を刺しません。体や死がい、フンがアレルゲンになることがあります。

    【ツメダニがいると必ず刺されますか?】

    必ずではありません。また、皮膚の症状だけで原因を決めることもできません。

    【粉ものは常温で保管してはいけませんか?】

    商品ごとに保存方法が異なります。開封後の保存方法を確認し、密閉や冷蔵が指定されている場合は、その指示に従ってください。

    ■ まとめ|種類を知ると、対策する場所が見えてくる

    家の中のダニは、どれも同じではありません。

    ・チリダニ類は、寝具やカーペットなどに多く、人を刺さない
    ・コナダニ類は、湿気や食品まわりで増えることがある
    ・ツメダニ類は、ほかのダニを食べ、人を刺すことがある
    ・イエダニや鳥に寄生するダニは、動物や巣への対策も必要
    ・マダニは主に屋外にいる別のダニ

    ダニ取りシートを選ぶときも、「ダニ用」という文字だけではなく、対象となるダニと使用場所を確認しましょう。

    そして、布団なら寝具ケア、食品なら保存方法、畳なら湿気対策というように、場所に合った方法を選ぶことが大切です。

    ■ 参考情報

    ・神奈川県衛生研究所「ダニとアレルゲン対策」
    ・東京都保健医療局「室内環境対策」
    ・東京都保健医療局「室内のダニが気になります」
    ・川崎市「~アレルギー対策コラム~ お家の中のダニについて」
    ・厚生労働省「ダニ媒介感染症」

    ※本記事は、家庭内で見られるダニについての一般的な情報です。皮膚・呼吸器などの症状の診断や治療を目的とするものではありません。